文化財としてSDGsに貢献することがあります。春陽荘では、文化財を守るため、また地域を元気にするために観光を導入しています。観光と持続可能な開発目標では、主要テーマとなる目標8・12・14に重点を置いていますが、その他にも出来ることがあることが分かりました。これを機に色んな形で目標を達成するために貢献したいと考えています。
自治体であれ、事業者であれ、クリーンなエネルギーを選ぶ方針が必要です。大手電力会社に契約していると、その多くは化石燃料や原子力の依存したエネルギーを知らないうちに使用しています。春陽荘のエネルギーは、自然エネルギーや再生エネルギーを使っている電力会社と契約をしており、照明はLEDなど省電力かつ高効率モデルをグリーン購入しています。雨水も6トンと8トンのタンクを埋設して中水利用を積極的に導入しており、井戸水と併用して庭の散水に活用しています。
観光は、世界の経済成長の原動力の一つであり、現在では、世界で10人に1人が観光分野で働いています。観光が働きがいのある雇用機会を提供することにより、技能と専門性が向上し、社会(特に若者と女性)に恩恵をもたらすとされています。春陽荘では、地元雇用や地産地消の徹底によりこの目標の達成度を高めます。現在従業員は全て洲本市と淡路市登録の住民で運用しています。
安全で,災害に強いまちや人々の住む場所を観光を活用してつく持続可能まちづくりに少しでも貢献したいと考えています。春陽荘の宿泊客や一般社団法人春陽荘文化財保存会の会員のみなさまなどによる観光収入は、滞在を伸ばすためのプログラム開発や地元資本の食事処情報・体験プログラムの提供を通して地域が潤うための仕組み作りをしています。また、国際社会からもインターンシップを受け入れ、国際的な視野でもって地域貢献を優先し、100年先も安心して住み続けるまちづくりの一員となって努力をしています。
今の地球1個分の資源やエネルギーに対して,わたしたちは1.5個分を消費しています。魚の乱獲や,木材の伐採など,未来資源やエネルギーは枯渇に向かっています。このペースが続くと,SDGs達成予定の2030年には地球が2つ必要になるといわれています。わが国は特に12番の目標の達成率が低く、抜本的な運営改善が求められています。持続可能性を意識した事業者として、また来訪者にもその責任を感じて頂けるように取り組む必要があると感じています。例えば、春陽荘では古瓦を破砕したリサイクル瓦を庭園に敷いています。薪ボイラーで庭木などゴミの資源化。古いものを修理して長く使う、生物分解性の高いシャンプーや石鹸、竹製の歯ブラシのグリーン購入など、プラスチックごみを含め資源を大切に発生抑制を意識的に実行に移しています。
毎年激化する記録破りの異常気象。ゲリラ豪雨や洪水・土砂崩れなどの自然災害、大型化する台風など、われわれの活動が原因で起こっています。地球規模で考えるだけでなく、具体的な対策を取ることがこの目標になっています。ここ春陽荘でも前を流れる陀仏川が氾濫し、多くの地域の家が浸水しました。SDGs7番のエネルギーの話に加えて、お客様にはなるべく滞在中は公共交通機関を使う、また無料レンタルサイクルを提供したり、朝のウォーキングを楽しんでもらうなど化石燃料に依存しない楽しみ方を提供する工夫をしています。送迎車もアイドリングストップを徹底し、省エネに取り組んでいます。
SDGsの17の目標は多様な分野にわたります。それぞれの国や地域が取り組むこともあれば、国と国の協力が必要なこともたくさんあります。SDGsを着実に実現するには、国の主導だけではなく、企業や研究者、市民団体、地域、学校、家庭、そしてわたしたち事業者のパートナーシップが必要です。次世代のことを考え、遅滞なく行動を起こと。それが地球市民の一員として、難題課題を解決していくことになります。春陽荘では、地域住民や事業者との交流をはじめ、持続可能な観光を振興する各団体と連携してこの目標を達成したいと考えています。