春陽荘へようこそ

春陽荘 360 VRツアー
[URL] https://my.matterport.com/show/?m=yxZ7yYAgAjy
このリンクまたは下の写真をクリックすると、当施設のバーチャルリアリティを体験できます。画面中央にある3つのオレンジ色の真ん中のボールをクリックすると日本語のガイダンスが聞こえます。施設内は自由に観覧でき、まるで自分が春陽荘を見学しているような感覚を味わえます。カーソルで狙いを定めて、行きたいところを左クリックするだけです。高解像度で作成されているため、必要であれば欄間や床の間など上や下を見回すこともできます。ぜひチャレンジしてください。VRスコープを持っておられるのであれば、もっと臨場感あふれる体験ができます。

春陽荘を舞台に収録された益子侑&デラックスのミュージックビデオ

春陽荘は、昭和16(1941)年に、造船業で富を得た岩木家の社長宅兼事務所として建てられました。設計は家相方位学の権威である山本豊圓氏で、風水の思想にもとづいて設計され、地元の大工棟梁の斉藤三吉氏らが腕をふるい7年の歳月をかけて完成させました。

427坪の広い敷地には、貴賓館、蔵、客殿、寝殿、常住殿など8棟の建物があり、平成16年に国の有形文化財に登録されています。貴賓館など一部に近代的な要素も取り入れた優雅な和風建築群は、建築家出江寛氏により設計された塀や門扉とともに、調和のとれた趣あるたたずまいを創りだしています。平成16年に有形文化財として登録、平成29年3月に兵庫県景観形成重要建造物として指定されています。

近年、高齢化や効率のみを求める社会の風潮に伴い、島の風景やくらしも移ろいつつありますが、この春陽荘もまた所有者による維持がむずかしくなり、長く門を閉ざしたままになっていました。そこで平成27年、このままでは痛み失われかねない貴重な文化財を現代に活かし後世に残そうと、4代目となる新しい家主が買い受け、補改修に着手しました。

今日では再現が難しい伝統の技、職人の遊び心が光る意匠、そして歴史文化的な価値を知っていただき、淡路島の新たな国際観光資源として再生しようという試みです。貴賓館は宿泊施設として、また母屋常住殿では甘味処や特別料理企画をはじめ、淡路人形浄瑠璃、和装での撮影会やお茶会など様々な日本文化の継承の場として活用しています。伝統を守る一方で、文化庁事業のVRデジタル化にも参画しており、新たな活用法を模索しています。

環境負荷を抑え低炭素・循環型社会に資する運営に取り組みながらSDGs達成にも貢献するため、新しい命を吹き込まれた春陽荘が、「島が誇る伝統文化や風習」を広く世代を超え島内外に伝えていく“場”として、訪れる人だけでなく、地域の人びとにも親しまれることを願っています。

春陽荘 家主 高山傑